447 # 426 Leapling Tournament Group B.txt (1/2)

Elysion Online とんし 34910K 2022-07-24

学校が終わり、家に帰るとテスト勉強する。そろそろしないとまずいからね。テスト勉強を終え、夕飯を食べ、ログインする。

さて、今日はトーナメントBグループだ。シルフィ姫様に連絡を入れる。昨日帰り際におど…お願いされたのだ。機嫌を損ねると何するかわからないから素直に連絡する。

そしてシルフィ姫様が来たわけだが今日はサラ姫様とガルーさん、カインさんがいなかった。代わりにブラスさんがいる。カインさんがお仕事らしい。昨日は休みだったのだろうか?ギルドはいつも開いているんだが?

「姫様もガルーも仕事がありますからね。流石にいつも許すわけにはいきません」

「私は暇です」

「私もです」

「はぁ~…」

ブラスさん、苦労しているな。

さて、今日も楽しみな組み合わせ目白押しだ。まずは第一試合。戦うのは恋火とディアンだ。解説はシルフィ姫様と昨日出来なかったアウラさん。審判はブラスさんが担当した。

「では、第一試合。始め!」

開幕縮地で恋火はディアンの中央の首を狙う。

「やぁああ!」

しかしディアンは当然守りに入る。恋火が左端の首を跳ねる。そして、陽火の紅炎が発動する。

しかしディアンは気にせず、中央の三つの首が飛び上がった恋火を狙う。

「「「シャー!」」」

「あ…くぅぅ! きゃああ!?」

ディアンの水ブレスを魔力切断で対応しようと恋火はするが流石に三つは無理だった。そして恋火が怯んでいる隙にディアンは斬られた首は復活し、恋火に連続の水ブレスが襲う。

「あう…やっぱりディアンさん、強いです…あ、く!」

恋火は逃げて、鎌鼬で攻めに転じるがディアンの守りを突破出来ない。惜しいところまで行くんだが…中央の首を狙ってくると分かっているから当然ディアンはそこを狙ってくる。

ディアンは呪滅と毒で地味に恋火を削ってくる。対する恋火は禊で毒を治すことが出来るが恋火は回復手段を持っていないし、さっきから恋火の動きが悪い。スピードは恋火が圧倒的なはずだが、後手に回っている。

恋火は俺たちの中でもトップクラスの集中力がある。それが後手に回っているのには当然理由があるだろう。そしてそれをしているのは間違いなくディアンだ。しかし妨害するようなスキルはないんだよな。何をしているやらだ。

攻防が続くとフィールドに変化が起きた。水ブレスを連発で使われた結果、水が地面に張られている。それが恋火のスピードに悪影響を出し始めた。

以前雨降りで外に出ると靴に影響が出るとミュウさんが言っていたものだ。さて、恋火はどうする。

「く…やぁああ!」

何度目かの首を斬り落とす。そこをまた水ブレスを狙われた瞬間だった。恋火が水ブレスを上に飛び躱す。ずっと飛ばなかったから完全にディアンの虚を付いた。

「やぁああ! 居合い斬り!」

そして間合いを詰め、居合い斬りを放つ。しかしディアン中央の首が斬られようとした瞬間、姿勢を低くして、恋火の居合い斬りを躱す。あれを躱すか。しかし恋火の目はまだ死んでいない。

「まだです! 朧!」

空振りした居合い斬りが幻のように消えるとディアンの中央の首を斬り飛ばした。

あれが恋火が覚えた新しい武技か。恐らく一度目の攻撃をキャンセルして、同じ技をやり直す技。だまし技のような技みたいだ。

「やった! あ」

喜ぶ恋火だが、恋火の飛行は翼を使ったものじゃないから追撃するにはタイムラグがある。それをディアンは知っていた。ディアンの二つの水ブレスが恋火を襲うが、魔力切断で対処し、恋火が体勢を整える。

「狐技! ハーミットテイル!」

恋火の尻尾がディアンに迫る。しかしディアンはその尻尾に噛みつき、恋火を振り回し、決闘フィールドの壁にぶつける。

「う…うぅ…」

完全にグロッキーの恋火にディアンは四つの水ブレスを浴びせて勝負あり。

「勝負あり! 勝者ディアン!」

『シャー!』

解説役のアウラさんとシルフィ姫様が言う。

「あのヒュドラの次の対戦相手は私じゃダメかしら? ぶっ殺す」

「ダメですよ。アウラさん。これは真剣勝負なんですから。気持ちはわかりますが」

ビクッとするディアン。そして俺を見るディアン。大丈夫…流石にそんな理不尽なことはさせないさ。

ずぶ濡れの恋火が帰ってくる。

「ダメ…でした…うぅ…」

あらら…恋火が泣きそうだ。俺はびしょ濡れの恋火にローブを被せる。頭を撫でる。

「…強くなっても強いやつはいる。まだこれからだな」

「は、はい! もっと! もっと! 強くなって、ディアンさんに勝って見せます!」

うん。恋火は賢いから敗因は分かっているだろう。まず最初の攻撃だ。もしディアンの中央を首を狙うなら縮地を使うべきじゃなかった。

恋火なら普通に間合いを詰めていたら、全ての攻撃に対応できたはずだ。

そして最後のハーミットテイルは完全に誘われたな。水ブレスが二つだったのが、その証拠だ。ディアンはわざと恋火に水ブレスを対処させて、反撃を誘った。

そして恋火から知らされた衝撃の事実が判明した。

「ディアンさんからたくさんの色々な声が聞こえて、ごちゃごちゃになっちゃいました…他心通に頼るとこうなるんですね…」

ディアンの頭それぞれから別々の声が聞こえたからどれが正確かわからなくなってしまったのか…それを利用したディアンは凄いな…最後のハーミットテイルも全部の首が使われるとまずいと声がしたから使ってしまったようだ。

恐らく普通の戦闘をしていれば恋火が勝っている。それを自分の身体的特徴で恋火を翻弄したディアンは見事という他ないな。

次は第二試合。優牙とノワの対戦だ。さて、互いにどう攻略するかな?

「では、第二試合。始め!」

「ガァアア!」

優牙はやはり初っぱな極寒ブレスを使って来た。対するノワは空を飛ぶ。これは予想外だ。ノワは何を狙っている?

「…影召喚」

ノワが飛びながらチビノワをたくさん召喚する。これは優牙、やられたな…

「ガウ!? ガァアア!」

優牙がチビノワを極寒ブレスで倒すと呪滅撃が発動する。

するとノワが着地する。しかしノワは動かない…優牙はその姿に警戒する。しかしダメージを食らってしまったから行くしかなかった。そこで優牙は戦術を変えた。

「ガァアア!」

優牙が叫ぶと吹雪が吹き荒れる。ノワは黒霧で防御する。

「…寒い…酷い」

ノワにとって、吹雪は辛い空間だろうな。雪の中で走り回るより、ノワはこたつで丸くなるタイプだ。やばい…想像したら凄い似合っていた。

そして優牙は隠れる。しかしノワから隠れるのは得策じゃない。なぜなら隠れても影は常にあるからだ。

「…影操作」

優牙の影から棘が飛び出し、優牙を攻撃するが優牙も氷装甲でガードする。しかしこれで隠れる手段がなくなった。

追い詰められた優牙は黒霧を突破して、ノワに噛みつく。

すると身代わりでチビノワがやられる。黒霧の中で隠れていたチビノワとノワは入れ替わった。

そしてノワが優牙の影に潜り込む。勝負あったな。優牙に攻撃する手段がない。影の中では寒さは感じないからな。そして優牙に回復手段がない。

「タイムアップ! 勝者、ノワ!」

「…ブイ」

「流石ノワちゃん! 可愛いわ…はぁ…はぁ…」

「これはノワちゃんの作戦勝ちでしたね。素晴らしい戦術でした!」

シルフィ姫様の言う通り、これはどうしようもないかな…ノワの戦術が完璧だった。影に潜れる自分の優位性をしっかり把握した戦術だったな。

優牙は落ち込んでいる。まぁ、ドンマイとしか言えないな。吹雪でノワを寒さ攻めしたのは非常にいい手だと思ったんだがな…惜しい。

次の戦闘は個人的に初戦で一番気になる決闘。黒鉄とロコモコの勝負だ。さて、どうなるかな?因みにほとんどがロコモコを応援している。黒鉄が可哀想だ。

「え~…観客は静粛に。では、第三試合、始め!」

黒鉄が光線をロコモコに放つ。

「メ」

なんとロコモコは光線を躱した!はや!?ロコモコって、あんなに俊敏だったのか?あ、脱走スキルか。

黒鉄が光線、鋼線、投石、ロケットパンチ、格闘。全て逃げられる。これは酷い…俺はロコモコのポテンシャルを完全に見誤っていたようだ。黒鉄にとって、最悪の敵だな。

「メ!」

タイムアップ間近にロコモコが体当たりでダメージを与えてようとするが守護で防御する。あ、タイムアップと思った瞬間、ロコモコが放電を使う。そこでタイムアップ。耐電を持っていても雷のダメージを無効化するわけじゃない。

「タイムアップ! 勝者、ロコモコ!」

「メェ~」

「今度も戦術勝ちね…って、ネフィ!? しっかりしなさい!」

「ロコモコさんの可愛さにやられてしまったみたいですね…わかります」

可愛さを感じるか…内容は酷いものだった気がするぞ。しかしこれは大番狂わせだな。黒鉄も結構良いところに行くと思ったんだが、わからないものだ。

さて、本日のラストバトルだ。第四試合はミールとチェスだ。これは極端なタイプの二人で楽しみだ。

「では、第四試合。始め!」

「ガァアア!」

チェスは氷結ブレスをするとミールは地面に潜る。まぁ、そう来るよな。しかしノワの時のようにはいかない。チェスには強制がある。

「く! はぁああ!」

チェスが強制を使うとミールは地面から出て攻撃しないといけない。これでは罠設置が出来ないな。しかもミールの水スキルはチェスには効かない。寧ろ下手に使うと不利になるから使えない。

土魔法や風魔法も試すがチェスは魔法には強い。それにミールはそれらの魔法が強くない。

結果、木で攻めるしかないのだがチェスの氷装甲を破る火力はない。しかも氷斧で木を斬るからミールにとって、チェスは相性悪いな。頼みの綱の花粉も星の加護で無力化されてしまった。

「ガァアア!」

「くぅぅ!」

結果、ミールは氷結ブレスを食らってしまい、凍ったところを氷斧でぶっ飛ばされ、勝負あり。

「そこまで! 勝者! チェス!」

「ガァアア! …ガゥ!? ガ、ガゥ…」

「「…」」

あーあー、勝ったのにチェスが小さくなって、退場する。可哀想に。

「負けてしまいました…」

「耐久戦をしたかったのに、させて貰えなかったな」

「はい…罠も水も封じられて、手がありませんでした。完敗です」

ミールは全力を出して負けてさっぱりしているな。それでも負けたら、悔しいだろう。俺は頭を撫でてあげた。

トーナメントが終わり、俺はサフィに島に連れていって貰い、アイテムをゲットするが、俺はゲットしたアイテムを消費して、更に生産能力を強化する。しばらくをこれを繰り返すことになる。生産を終えて、俺はログアウトした。

名前 恋火 ハーミットビーストLv2